2011年1月12日水曜日

おこす

今回ご協力いただいている墨田区の町工場、岩井金属金型製作所の岩井さん。
金型をおこし、そこから様々なものを制作していく。

岩井さんの工場にはじめてお邪魔した時にまず驚いたのが、工場を埋め尽くすように存在する機械の数々。
私には、それぞれの機械が何のために使われるのか、皆目見当がつかなかった。
岩井さんが、一つずつ丁寧に説明して下さり、少なくともどういうことが出来るものなのか教えてもらう。
大ぶりの巨大な機械が、何かを作りだしてくれる頼もしい存在に思えてくる。
不思議だ。

岩井さん、今度ご紹介する浜野さん、みなさん伺うたびに親切に接して頂き、町工場そのもの、働く人たち、工場の機械たちへの限りない愛情が伝わってくる。

私たち作家が、何を作り共有しあえるのか、こちら側で勝手に決め込むよりもまずは教えを乞い、学ぶことから始めてみようと思う。
すみだフリオコシ、第一回は、ずばり 『おこす』である。

例えば、「金型をおこす」 
おこすという言葉は何かを作る、計画するということだけを表すのではなく、もう少し深い意味合いがありそうである。

かつて、金型は立派な財産であり、工場の夢や未来を象徴する希望のようなものだったという。
つまり、「金型をおこす」という言葉には、ただ物理的に金型を作ることの奥底に、工場の、家族の覚悟や意思に近いものが反映されているのかもしれない。
そういうスピリットに触れながら作品づくりをさせていただくのはかなり幸せな作業だと思う。

作品そのものはまだ、制作中ですが、少しずつ工場の雰囲気や制作過程をリポートしていきます。

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